一般貨物自動車運送事業の許可(緑ナンバー)とは

一般貨物自動車運送事業とは、他人の荷物を有償で運ぶ運送事業のことです。 貨物自動車運送事業法第3条により、事業を始めるには国土交通大臣(実際には営業所を管轄する地方運輸局長)の許可が必要です。

兵庫県内に営業所を置く場合は、近畿運輸局長の許可を受けることになります。 申請書は兵庫陸運部(神戸運輸監理部 魚崎庁舎)へ提出し、形式審査を経て近畿運輸局で内容審査が行われます。

許可が必要になるケース

  • トラックで他社の荷物を運び、運賃を受け取る
  • 荷主と元請・下請の関係で継続的に配送を請け負う
  • 軽貨物(黒ナンバー)から普通トラックへの事業拡大を考えている

自社の商品を自社トラックで運ぶだけ(自家用輸送)であれば許可は不要です。 また、軽自動車1台で始める貨物軽自動車運送事業(黒ナンバー)は届出制で、この許可とは別の制度です。

許可取得に必要な主な要件

近畿運輸局の公示基準にもとづく、主な要件は次のとおりです。

要件概要
営業所使用権原あり。市街化調整区域は原則不可(都市計画法等に抵触しないこと)
車両営業所ごとに5台以上(けん引車+被けん引車は合わせて1両と算定)
車庫原則営業所に併設。離れる場合は神戸市など主要市は10km以内、その他地域は5km以内
休憩・睡眠施設原則営業所または車庫に併設(睡眠が必要な場合は1人2.5㎡以上)
運行管理者29台までは1名(30台で2名)。資格者の確保が必要
整備管理者事業用自動車5台以上で1名選任
資金所要資金以上の自己資金を申請日から許可日まで常時確保
法令遵守社会保険等の加入、欠格事由に該当しないこと
損害賠償能力任意保険(対人無制限・対物1事故200万円以上

要件の中で特につまずきやすい3つ

1. 車庫と営業所の距離・前面道路 車庫が営業所から離れる場合、近畿運輸局管内では10km以内または5km以内という基準があります。 神戸市・姫路市・尼崎市・西宮市・明石市などは10km区分です。 また、車庫の前面道路が車両制限令に適合しているか(幅員証明書)も確認が必要です。

2. 市街化調整区域は営業所にできない 物件を先に契約してから「営業所として使えない」と判明するケースが後を絶ちません。 物件を決める前に必ず要件確認をしてください。

3. 資金要件(自己資金) 所要資金は次の項目を積み上げて算出します。

  • 車両費(頭金+1年分の割賦金、リースは1年分)
  • 保険料(自賠責・任意)1年分、自動車税・重量税1年分
  • 人件費・燃料費・修繕費など運転資金の6ヶ月分
  • 営業所・車庫の賃借料1年分+敷金等
重要

所要資金以上の自己資金を、申請日から許可日までの間ずっと維持する必要があります。 残高証明書は申請時と審査中の適宜の時点の2回提出を求められます。 一時的にお金を借りて見せ金にする、といった方法は通用しません。

一般的な規模では1,500万〜2,500万円程度が目安と言われますが、これは公的に決められた金額ではなく、 上記の積算結果によって上下します。事業計画にもとづく試算が必要です。

役員法令試験に合格する必要がある

一般貨物の許可では、申請者(法人の場合は事業に専従する常勤役員1名)が法令試験に合格しなければなりません。

項目内容(近畿運輸局)
出題数30問(○×方式・語群選択方式)
試験時間50分
合格基準8割以上(24問以上)正解
実施頻度隔月(申請書受理月の翌月以降に実施・事前通知あり)
不合格時翌々月に1回だけ再試験。再試験も不合格なら申請は却下

出題範囲は貨物自動車運送事業法、輸送安全規則、道路運送車両法、道路交通法、労働基準法、改善基準告示など13法令。 条文集は当日配付されますが、書き込み・持ち込みは不可です。

再試験でも不合格になると申請そのものが却下され、また一から出し直しになります。 事前の対策が非常に重要な関門です。

取得までの期間と費用

標準処理期間は3〜5ヶ月

近畿運輸局の公示では、一般貨物の許可の標準処理期間は3〜5ヶ月(特別積合せは4〜6ヶ月)とされています。 これは法令試験に合格し、書類の補正がスムーズに終わった場合の期間です。 物件探しや資金準備の期間を含めると、半年程度を見込んでおくと安全です。

費用

費用項目金額
登録免許税(許可後に納付)120,000円
申請手数料不要
行政書士報酬(当事務所)330,000円〜(税込)

日本行政書士会連合会の報酬額統計調査(令和7年度)では、一般貨物自動車運送事業の経営許可申請の報酬は平均457,675円・最頻値550,000円、 40万〜60万円未満が全体の53.2%を占めています。 当事務所の330,000円〜(税込)は、この相場を下回る水準です。詳しくは料金表ページをご覧ください。

許可取得後にやること

許可が出ても、すぐに営業を始められるわけではありません。

  1. 登録免許税120,000円の納付(納付書で金融機関へ。領収書を運輸局へ返送)
  2. 運行管理者・整備管理者の選任届(運輸開始前の提出が許可条件)
  3. 運輸開始前の確認報告(社会保険加入状況などを報告)
  4. 事業用自動車等連絡書の取得 → 緑ナンバーへの登録
  5. 運輸開始(許可から1年以内が条件)
  6. 運輸開始届・運賃料金設定届(それぞれ30日以内)
  7. 巡回指導(運輸開始届出後1ヶ月以降3ヶ月以内に適正化事業実施機関が実施)

以降も、事業報告書(事業年度経過後100日以内)・事業実績報告書(毎年7月10日まで)の提出が毎年必要です。

軽貨物(黒ナンバー)との違い

項目一般貨物(緑ナンバー)軽貨物(黒ナンバー)
手続き許可(審査あり)届出(審査なし)
車両数5台以上1台から
運行管理者必要(29台まで1名)不要
資金要件あり(自己資金の常時確保)なし
法令試験ありなし
期間3〜5ヶ月即日〜数日

なお軽貨物についても、2025年4月から貨物軽自動車安全管理者の選任・届出が義務化されました。 2025年3月31日以前から事業を行っている方は2027年3月31日まで猶予がありますが、 それ以降の新規届出者には猶予がありません。当事務所では軽貨物の届出(44,000円税込)にも対応しています。

まとめ:運送業許可は「準備段階」が勝負

  • 一般貨物の許可は近畿運輸局長(兵庫は兵庫陸運部経由)の許可
  • 車両5台・営業所・車庫・運行管理者・自己資金の常時確保が主な要件
  • 法令試験(30問・50分・8割合格)があり、再試験も不合格なら却下
  • 標準処理期間は3〜5ヶ月、登録免許税は120,000円
  • 物件契約や車両手配のに要件確認をするのが最短ルート

ミライ行政書士事務所(神戸市)では、一般貨物自動車運送事業の許可申請を330,000円〜(税込)でサポートしています。 営業所・車庫の物件選びの段階からご相談いただければ、「契約したのに使えない」という失敗を防げます。 法令試験の対策資料のご提供から、許可後の運輸開始手続きまで一貫して対応いたします。

運送業許可サポートの詳細はこちら