欠格要件とは——「該当したら許可が取れない」条件

産業廃棄物収集運搬業許可には、欠格要件という「これに当てはまると許可を受けられない」条件が定められています(廃棄物処理法第14条第5項第2号)。

要件を満たしていても、欠格要件に1つでも該当すれば不許可になります。 そして厄介なのは、審査の対象が申請者本人だけではないという点です。

誰がチェックされるのか

  • 法人の役員(取締役・監査役など)
  • 相談役・顧問など、実質的に経営を支配している者
  • 政令で定める使用人(事業所の代表者など)
  • 議決権または発行済株式の5%以上を持つ株主・出資者
  • 個人事業主の場合は本人

これらの人について住民票や登記されていないことの証明書を提出し、該当の有無が確認されます。

主な欠格要件

1. 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

破産していても、免責が確定して復権していれば該当しません。 「過去に自己破産した」というだけで諦める必要はなく、復権の有無が分かれ目です。

2. 拘禁刑以上の刑に処せられ、5年を経過しない者

拘禁刑(2025年6月に懲役・禁錮が一本化されたもの)以上の刑を受け、執行を終えた日から5年を経過していない場合が該当します。 罪名は問われません。

3. 特定の法令違反による罰金刑から5年を経過しない者

罰金刑の場合は、対象となる法令が限定されています。

  • 廃棄物処理法、浄化槽法などの環境関係法令
  • 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律
  • 刑法の一部(傷害・暴行・脅迫・恐喝など)
  • 暴力行為等処罰に関する法律
よくある誤解

交通違反の反則金は「罰金」ではありません。 また、罰金刑であっても上記に含まれない法令の違反であれば、欠格要件には該当しません。 「前科があるから無理」と自己判断せず、どの法令で・どの刑を受けたのかを確認することが大切です。

4. 暴力団員等

暴力団員、または暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者。 暴力団員がその事業活動を支配する法人も対象です。

5. 許可の取消しから5年を経過しない者

産廃許可の取消処分を受けた場合、取消しの日から5年間は許可を受けられません。 法人が取消しを受けたときは、取消しの聴聞通知の前60日以内に役員だった人も対象になります。

6. 心身の故障により業務を適切に行えない者

恐ろしいのは「連鎖」——役員1人で会社全体がアウト

欠格要件の最も厳しい点は、役員が1人でも該当すれば法人全体が不許可になることです。

さらに深刻なのが、許可取得後に判明した場合です。

許可取消しは他の自治体へも波及します

欠格要件に該当することが後から判明すると、許可は取り消されます。 産廃許可の取消しは各自治体が把握するため、他の都道府県で持っている許可も連鎖して取り消されるおそれがあります。

そして取消しを受けると、そこから5年間は新たな許可を受けられません。 複数の府県で許可を持って事業を展開している場合、影響は事業全体に及びます。

役員構成を変更する際や、新たに役員を迎える際には、欠格要件の確認を必ず行うようにしてください。

無許可営業の罰則

欠格要件とあわせて知っておきたいのが、無許可で収集運搬を行った場合の罰則です。

許可を受けずに産業廃棄物の収集運搬を業として行うと、廃棄物処理法第25条により 5年以下の拘禁刑もしくは1,000万円以下の罰金、またはその併科の対象となります。 法人には両罰規定により3億円以下の罰金が科される可能性もあります。

そして罰金以上の刑に処せられれば、今度は欠格要件に該当して5年間許可が取れなくなります。 「許可が切れているのに運んでしまった」というケースが、この負の連鎖の入口になりがちです。 期限管理については産廃許可の期限切れは要注意もあわせてご覧ください。

「該当するか分からない」場合こそ、申請前の確認を

欠格要件は、ご自身では判断しにくい部分があります。

  • 過去の刑事処分がどの法令に基づくものか分からない
  • 役員の一人に過去の経歴で気になる点がある
  • 以前の会社で許可の取消しに関わった可能性がある

こうしたケースで最も避けたいのは、確認しないまま申請してしまうことです。 申請手数料81,000円は不許可でも返還されませんし、虚偽の申請と受け取られれば事態はさらに悪化します。

ミライ行政書士事務所では、要件確認だけのご相談も承っています。 デリケートな内容ですので、もちろん秘密は厳守いたします。 「該当するかどうか不安」という段階で構いませんので、申請前にお聞かせください。

当事務所は完全成果報酬制・着手金0円。許可が下りなければ報酬はいただきません。 だからこそ、要件を満たすかどうかの見極めを最初に丁寧に行います。

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まとめ

  • 欠格要件に1つでも該当すれば不許可。要件を満たしていても許可は下りない
  • 対象は本人だけでなく、役員・政令使用人・5%以上の株主まで
  • 罰金刑は対象法令が限定されている(交通反則金は罰金ではない)
  • 役員1人の該当で法人全体がアウト。取得後の判明は他自治体の許可にも波及
  • 判断に迷ったら、申請前に専門家へ確認を

制度の全体像は産業廃棄物収集運搬業許可の完全ガイド、 申請を自分で進めるか迷っている場合は自分で申請できる?をご覧ください。