積替え保管とは?——「直行」か「一度おろす」かの違い

積替え保管とは、排出事業場で収集した産業廃棄物を処分場へ直行させず、 途中の保管場所でいったん降ろして積み替え・一時保管することをいいます。

産業廃棄物収集運搬業許可は、この積替え保管を行うかどうかで 「積替え保管を含む」許可「積替え保管を含まない」許可の2区分に分かれています。

どちらの許可が必要か

  • 含まない:現場から処分場へ直行して運ぶ → 一般的なケース
  • 含む:自社ヤードなどにいったん降ろし、まとめてから処分場へ運ぶ

多くの事業者様は「含まない」許可で足ります。 まずはご自身の運搬フローが直行かどうかをご確認ください。

積替え保管の3つのメリット

なぜ手間をかけてまで積替え保管の許可を取るのか。理由は運搬効率にあります。

  1. 小口をまとめられる——少量ずつ発生する現場を複数回り、ヤードで集約してから大型車で処分場へ運べる
  2. 遠距離運搬のコストを下げられる——中継地点を設けることで、1回あたりの積載効率が上がる
  3. 処分場の受入時間に縛られにくい——現場の作業時間と処分場の受入時間がずれても対応できる

一方で、許可のハードルは大きく上がります。

積替え保管ありの追加要件

「含む」許可では、保管場所そのものが審査対象になります。 主な基準は廃棄物処理法の施行令・施行規則で定められています。

保管数量の上限

「7日」の意味に注意してください

施行令第6条により、積替え保管の保管数量は その保管場所における1日あたりの平均的な搬出量の7日分を超えないことと定められています。

これは数量の上限であって、「7日以内に搬出しなければならない」という期間の制限ではありません。 「保管期間は原則7日まで」という説明を見かけることがありますが、正確ではありません。

法令が期間について定めているのは「搬入された産業廃棄物の性状に変化が生じないうちに搬出すること」という定性的な基準です。

なお、この7日分の上限は積替え保管に適用されるものです。 排出事業者が自社の廃棄物を自社で保管する場合の保管基準(施行規則第8条)には、この数量上限はありません。 適用される条文が違うため、混同しないようご注意ください。

保管場所の構造基準

  • 周囲に囲いを設けること
  • 掲示板(縦60cm以上×横60cm以上)を見やすい場所に設置すること
    • 記載事項:廃棄物保管場所である旨/保管する廃棄物の種類(石綿含有・水銀使用製品を含む場合はその旨)/管理者の氏名・名称と連絡先/屋外で容器を用いず保管する場合の最大高さ
  • 汚水が生じるおそれがある場合は排水溝等を設け、底面を不浸透性の材料で覆うこと
  • 飛散・流出・地下浸透・悪臭の発散を防止する措置を講じること

その他の運用上の条件

  • あらかじめ積替え後の運搬先が定められていること
  • 搬入量が適切に保管できる量を超えないこと

なお、保管場所の面積の基準や土地の使用権原、都市計画法などへの適合については、 自治体の指導要綱によって運用が異なります。 神戸市の場合は「神戸市産業廃棄物処理施設指導要綱」に基づく手続きが別途必要とされています。 物件を決める前に、必ず管轄自治体へ確認してください。

見落としやすい「許可権者が変わる」問題

積替え保管で最も注意が必要なのが、申請先が変わる場合があるという点です。

神戸市は公式ページで、市の窓口となるケースを次のように示しています。

「神戸市内に積替え・保管施設を設置する場合」「収集運搬の範囲が神戸市内に限られる場合」

つまり、神戸市内に積替え保管施設を置くなら、兵庫県ではなく神戸市長の許可になります。 積替え保管を含まない通常の収集運搬であれば兵庫県知事許可で県内全域をカバーできますが、 積替え保管施設を設ける場合はこの原則から外れます。

申請先の考え方は産廃許可はどこに申請する?でも解説しています。

手数料は同じ、でも報酬とハードルは上がります

意外に思われるかもしれませんが、法定手数料は積替え保管の有無で変わりません(新規81,000円)。 大阪府の公表資料でも、含む・含まないの両方で同額です。

一方で、行政書士報酬には明確な差が出ます。 日本行政書士会連合会の報酬額統計調査(令和7年度)では次のとおりです。

区分平均報酬最頻値
新規(積替え保管を除く125,112円110,000円
新規(積替え保管を含む345,431円220,000円

平均で約2.8倍。書類の量と審査の重さがそのまま反映されています。

審査面でも、大阪府では積替え保管を含む収集運搬業が処分業と同じ手続きページで扱われ、 事前協議が必須とされています。標準処理期間も60日です。

まずは「本当に必要か」を検討しましょう

積替え保管は要件・費用・審査期間のいずれも重くなります。 直行で運べる運用に組み替えられないかを先に検討し、 それでも集約が必要な場合に取得を目指すのが現実的です。

当事務所では、どちらの許可が適しているかのご相談から承っています。

まとめ

  • 積替え保管=処分場へ直行せず、途中で一時保管すること。許可は含む/含まないの2区分
  • メリットは小口の集約・運搬コスト削減
  • 「7日」は保管数量の上限(1日平均搬出量の7日分)であって、保管期間の制限ではない
  • 掲示板は60cm×60cm以上、囲い・汚水対策などの構造基準あり
  • 積替え保管施設を政令市内に置くと、その市長の許可になる(神戸市内なら神戸市長)
  • 法定手数料は同額だが、行政書士報酬の平均は約2.8倍

ミライ行政書士事務所(神戸市)では、積替え保管を含む許可申請にも対応しています。 「自社のフローだとどちらの許可が必要か」という段階からお気軽にご相談ください。 完全成果報酬制・着手金0円です。

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